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BtoB向けコンテンツマーケティングにおけるコンテンツ制作の基本的な流れ

コンテンツ制作

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BtoBのコンテンツマーケティングの取り組みでは、コンテンツ制作のために外部の業者とやり取りすることがあります。しかし、コンテンツ担当になったばかりの方や普段制作に携わらない方にとっては、どのような流れで進めればよいのか分からないことも多いでしょう。制作にはどのようなスタッフが関わり、またそうした外部のスタッフとどのように進めていけばよいのか、本記事では制作の基本的な流れや注意点を解説します。

BtoBマーケティングでのコンテンツの種類と必要な人材

BtoBマーケティングではさまざまなコンテンツを作る必要があります。例えば、ホワイトペーパーや導入事例、SEO記事、ブログ記事、カタログ、パンフレット、イベントレポート、動画、Webサイト・ランディングページ(LP)などの多様なコンテンツを、ターゲットや用途に応じて作っています。

これらは内製することもできますが、専門的なスキルを要するものも多いため、すべて自社内でこなすことは現実的ではありません。一般的には、ライターやデザイナー、カメラマンなど外部の専門人材を起用することになります。

もちろん、そうした各専門人材でも一括りにはできず、それぞれ得意領域が異なります。例えばライターといってもインタビューが得意なライターもいれば、SEO記事が得意なライターもいます。

このように、制作物に応じてベストな人材をアサインしたり多様な人材を自社でコントロールしたりするのが難しい場合は、コンテンツ制作会社(またはフリーランスの制作ディレクター)に依頼するのがよいでしょう。

ディレクション機能をもつ会社や個人に依頼すれば、最適な人材のアサインおよびその管理、制作スケジュールの管理、制作物のクオリティ担保までを一括で担ってもらえるため、自社の業務負荷低減と制作物の早期完成につなげることができます。その際に大事なのは、こうした外部の制作会社やディレクターと上手にやり取りしてスムーズに進行させることです。

記事コンテンツにおける制作の流れ

今回はコンテンツマーケティング担当に就いたばかりの方や、マーケティング担当ではないもののコンテンツ制作を外部の会社に初めて発注する方に向けて、コンテンツ制作の流れを見ていきましょう。

数あるBtoBマーケティング用途のコンテンツの中で、制作例が多いのが「DTPデザインを伴う記事制作」です。例えばホワイトペーパーや導入事例リーフレット、製品カタログなどが該当します。同コンテンツを外部に発注して制作する代表的なフローは下図の通りです。順を追って解説します。


ステップ1 問い合わせ・依頼

制作会社にコンテンツ制作を依頼する際、まず案件の概要を伝えることになります。打ち合わせを経て見積もりをもらうケースが多いですが、簡易な要件であれば依頼時のテキストベースの情報で見積もりをある程度算出してもらうことができます。その際には、以下の項目を伝えるとよいでしょう。特にページ数などは見積もりに影響しやすい項目です。

・制作物の種類(ホワイトペーパー、リーフレット など)
・用途(営業資料、イベント配布用 など)
・納品物(テキスト、デザイン、印刷 など)
・分量(ページ数や文字数 など)
・納期
・作成方法(資料をベースとするか、取材が必要か など)

まったく新規の制作物をつくる場合はイメージがない場合もあるかもしれません。しかし、自社内に過去制作例なくとも、他社が公開している制作物など参考になるイメージがあればそれを合わせて伝えると見積もりはスムーズになります。

ステップ2 打ち合わせ(依頼内容のすり合わせ)

コンテンツ制作にあたっては、簡易なものであればメール上で済むことも多いですが、一般的には制作会社と直接打ち合わせを行い、依頼内容をすり合わせます。問い合わせのメールにてある程度詳細は伝えていたとしても、齟齬がないように打ち合わせを行い、口頭で補足しながら依頼内容を伝えるのが望ましいです。

制作物を依頼してイメージ通りのアウトプットを出してもらうためには、いくつかのポイントがありますが、特に大事なのは打ち合わせなどにてしっかりと本質的な情報・要件を伝えることです。例えば、誰(どんなターゲット)に対して何を目的に、何を最も訴求したいか、デザインはどのようなトーン&マナーにしたいかなどをしっかりと共有しておきたいところです。

製品資料を作るのであれば、自社が訴求したい製品の特徴や機能があるはずです。自社製品に関係ないオウンドメディアの記事を作る際でも、読者に伝えたいものや読者に知ってもらいたいことなどがあるはずです。漠然と依頼するのでなく、目的を明確にしたうえで制作を進めましょう。

ステップ3 見積確認・発注

打ち合わせ終了後、制作会社から見積もりをもらい、その内容に問題がなければ正式に発注します。発注や請求のやり取りの方法や支払いタイミングなども相談しましょう。簡単な案件であれば、初回打ち合わせ後、その発注をもってすぐに原稿執筆やデザイン制作などの実作業に取り掛かってもらいます。

実際に作業をしてもらうためには、制作会社への業務委託契約を結んだり、提供する資料がある場合は秘密保持契約(NDA)を締結したりすることになるので、そこに要するリードタイムなどにも気をつけましょう。実際に当社宛で過去にあった制作依頼でも、契約面で時間がかかってしまい納期までの期間が圧迫されてしまったケースがあります。

ステップ4 取材・打ち合わせ

簡易な仕事であれば、最初のステップ1で済んでしまうことが多いですが、内容をさらに詰める必要があれば再度打ち合わせもしくは取材を行います。

もちろん、初回の打ち合わせ後にコンテンツの骨子案を作成してそれ以降はメールのやり取りベースで済む場合もあります。このステップが必要かどうかは、初回の打ち合わせで制作会社と相談して判断します。

特に製品紹介資料やホワイトペーパーを作る場合は取材が必要になるケースが多く、製品や業界、顧客動向を理解した自社の製品担当者や営業担当者、技術者などへライターからインタビューしてもらいコンテンツを作成していきます。

コンテンツマーケティング担当者は、社内で取材に応じてもらえそうな人を調整し、制作会社にも取材候補日を提示します。このとき自社から候補日を提示したほうがよいか、制作会社から候補をもらったほうがよいかは、制作会社と相談して決めます。

写真撮影が発生する場合は、撮影が発生することを社内に通知しておく必要があります。ビルのテナントにオフィスを構えている場合は、ビルの管理会社に撮影許可証の提出がいるかどうかもあらかじめ確認しておきましょう。

取材先が自社ではなく、導入事例取材のように他社になる場合は、より準備が必要です。撮影の有無や可否はもちろん、取材先に訪問する人数もしっかり伝えておきます。当日訪問したら「取材する部屋が狭かった」ということもよくありがちなので気をつけてください。

事例取材の場合は公開後に取材先とトラブルがないように、インタビュー記事がどのように公開されるのか、どのように使われるのかなどをあらかじめ合意するための取材承諾書のやり取りを行うことも多いです。

ステップ5 執筆・デザイン制作

執筆のほかにデザインまで行う場合、まず初校はWordなどのテキストの形で原稿を確認し、その次の再校にてデザインを確認する流れが一般的です。

初校までの制作期間は制作物のボリュームによって変動しますが、A4で2~4ページ程度の制作物の場合、当社では1.5~2週間程度で提出しています。

ステップ6 原稿確認・お戻し

制作会社から届いた原稿に修正指示を入れ、制作会社に原稿を戻します。原稿は、コンテンツマーケティング担当者だけでなく、なるべく多くの方にレビューしてもらいましょう。あとになって「自分は見ていない」といってちゃぶ台返しになってしまうトラブルを回避するためにも重要です。

原稿など内容のチェックは、なるべく1回のチェックで複数担当者が確認し、特に最初(初校)の確認に最も時間をかけます。一度確認して制作会社に修正してもらったものをまた別の担当者が確認する方法は、修正回数が増加して完成までのリードタイムがかかってしまうのでなるべく避けるべきです。また、過度に修正回数が増えると見積もりなどに影響することもあります。

校正回数は、初校・再校・念校と3回設けられることが一般的です。実際にこの回数では収まらないケースも少なくありませんが、なるべくはこの回数で確認し終えるように努めるべきです。

ステップ7 納品・請求

校正のやり取りを増えて修正がこれ以上ない状態となったら完成です。修正なしで校正が完了することを「校了」と呼びます。事前に相談した納品形態で納品物を制作会社から送ってもらいます。

特にリーフレットなどのDTP制作物の場合、PDFまで納品なのか、制作元のDTPデータまで納品物なのかは制作会社によって異なり、費用に影響する場合もあります。また、DTP制作ではAdobe IllustratorかAdobe InDesignのどちらかで制作するケースが多いので、もし指定があれば依頼の段階ですり合わせておきましょう。

まとめ

今回は、BtoBマーケティングにおいて外部の制作会社を起用した際のよくあるコンテンツ制作の流れを示しました。もちろん、今回紹介した流れはほんの一例であり、制作物の種類によって異なります。

しかし、どのようなステップがあるかどうかをあらかじめ知っておくだけでもスケジュールを立てやすくなったり、制作会社との打ち合わせの中で確認するべきことがより明確になったりするのではないでしょうか。

昨今ではビジネスによりスピード感が求められます。また制作会社から最大限の強力を得るためにも、「スムーズな進行、的確な段取り」は非常に重要です。これから初めて制作物を作るという方はぜひ参考にしてもらえればと思います。

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