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BtoBマーケティングにおける基本的なコンテンツの種類とその役割

コンテンツ制作

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BtoB、BtoCに限らず、昨今のデジタルを通じたマーケティング施策では、コンテンツの重要性が高まってます。ひと口にコンテンツと言ってもその種類はさまざまであり、目的に応じて作り分ける必要があります。今回は、BtoBのコンテンツマーケティングにて用いられる代表的なコンテンツの種類を解説します。

1.ホワイトペーパー/Eブック

ホワイトペーパーとは自社の見込み顧客のエンゲージメント強化や製品選定をより検討してもらうことを目的として提供する有益な情報を解説した資料の総称です。

(※詳細については「ホワイトペーパーとは?BtoBマーケティングでのメリット、種類、制作方法を完全解説」もご覧ください)

ページ数が多かったりグラフィカルな要素を強めたりすることで「冊子」としての体裁が強いものはEブックと呼ばれることがありますが、日本ではこれらにそこまではっきりとした違いがあるわけではありません。

ホワイトペーパーは会社によって定義が幅広く体裁、内容もさまざまですが、共通しているのは、提供者目線の宣伝ではなく読者目線で参考になる情報を載せることです。

そのため幅広いリード(見込み顧客)を獲得するのに適した資料であり、デジタルマーケティングやコンテンツマーケティングの取り組みではもはや作成しないという選択肢はないほど一般的なものです。利用範囲が幅広いので優先的に制作を検討したい資料です。

2.導入事例

導入事例記事は、自社の製品を導入した企業から「なぜその製品を導入したのか」「導入してどのような効果があったのか」という内容を語ってもらうコンテンツです。

自社製品を検討している見込み顧客への購買意欲を醸成したり製品の説得力を強化したりするのに役立つコンテンツです。

実際に「自社と同業種の有名企業が導入事例に載っていて安心感があったから問い合わせをした」という例は珍しくなく、企業の製品選定に影響力のある強力なコンテンツです。そのため、BtoBマーケティングでは定番のキラーコンテンツとなっています。

コンシューマ製品(BtoC)においても、「口コミ」や「レビュー」などが製品選定に大きな影響を与えるように、BtoBにおいても第三者視点のコメントの影響力は大きく、自社の信頼感と説得力を高めることができます。

3.ブログ・オウンドメディア記事

企業が自社の専門知識や関連する技術動向、業界動向に関する情報を発信することで、見込み顧客を引きつけたり、認知やブランド強化を図ったりすることを目的に制作されます。

ブログの場合は、自社製品・サービスに関する記事を書く場合もありますが、オウンドメディアの場合は、読者の有益性やメディアとしての中立性を重視するため、自社製品訴求のコンテンツはあまり書かれません。

SEOを意識して検索エンジンから自社サイト流入を促進することを目的に制作することもあれば、後述するメールマガジンと組み合わせながら既存の見込み顧客のサイト流入を促すなど、リードナーチャリングを目的とする場合もあります。

ブログやオウンドメディアは、CMSなどを導入して環境を整える必要がありますが、テキスト原稿さえあれば手軽にアップロードして公開できるため、こちらもデジタルマーケティングやコンテンツマーケティングには決して欠かすことのできないコンテンツです。

4.メールマガジン

メールマガジン(メルマガ)は古くから存在する手法ですが、メールはビジネスにおいてメジャーな連絡手段であり、問い合わせ獲得に強力な方法としていまでも根強く指示されています。

一般的には、メルマガの中でコンテンツを読ませるのではなく、誘導したいWebページ(コラム記事ページや資料ダウンロードページ、イベント申し込みページ)を用意しておき、そこに誘導させるための「フック」として用いられます。

そのため、メルマガ内では1つひとつのトピックに対してあまりボリュームを割いて情報を載せないことが一般的です。

メールアドレスなどが判明している見込み顧客にしかアプローチできませんが、Webメディアのメルマガ配信サービスを使うことで、自社が情報を保有していない層にもアプローチすることができます。

5.ランディングページ、Webページ

どの企業も自社製品を紹介するWebページを持っていますが、大抵の場合はそのままでは見込み顧客の購買意欲を促進するような作りになっていません。

そのため、広告やメルマガなどで自社サイトに流入を促しても、その後の問い合わせ獲得には高いパフォーマンスを発揮することができません。

そこで多くの企業が用意しているのが、「ランディングページ(LP)」です。購入を促したい特定の製品に絞って購買を促すような訴求力のあるコピーとデザインを作成することで、問い合わせ獲得を促します。

LPはSEO対策を兼ねるのが難しいケースが多いため、広告誘導など自然検索以外での流入を組み合わせることが多いです。

6.カタログ、パンフレット

自社製品の特徴や詳細な仕様、機能などを紹介した印刷物です。

詳しい製品紹介を目的とする場合は、後述するようにPowerPointで作られた営業資料で代替できることが多いため、カタログやパンフレットに関しては、営業担当者が口頭で簡単に説明したい際や、オフラインのイベントやセミナーなどで配って手軽に手にとって読んでもらうために制作されます。

ホワイトペーパーは自社製品の検討度が浅い層に対して制作する資料であるのに対して、カタログやパンフレットは検討がある程度進んだ層に対する製品訴求を目的としています。

7.営業資料

営業資料は、主に営業担当者が商談などで活用する資料であり、PowerPointで制作されることが一般的です。最も基本的なものなのでマーケティング施策とは別にすでに多くの企業が有しているものでしょう。

営業資料には一般公開できない情報が多く含まれていることもあるため、そのままでマーケティング施策の資料として使えませんが、パンフレット制作やホワイトペーパー制作を行うベースの材料として役立ちます。

8.イベント/セミナーレポート

自社が開催するイベントやセミナーに関して、その全体概要や個別のセッション内容を記事化するものです。

参加しなかった方へこのレポートを配信することで自社への興味・関心を高めたり、次年度開催の同イベントや次に開催される別のイベントへ参加を促したりするのに役立ちます。

Webサイトへ記事として掲載する場合もあれば、レイアウトしてPDFしたり、顧客に手渡すチラシ(印刷物)として制作したりする場合もあります。

4セッションくらいの小さなセミナーレポートでは2ページ程度のPDFにまとめることもあれば、セッション数が数十にもおよぶ大規模なイベントの場合、10、20ページ以上の冊子として制作する場合もあります。

イベントやセミナーの講演内容は有益度が高いため、レポートの形ではなく、その内容をベースとした導入事例記事やホワイトペーパーなどにまとめることもできます。

9.マンガ

自社の製品や技術、業界動向などをよりわかりやすく、かつ引きのあるかたちで訴求するために活用されるコンテンツです。

自社のオウンドメディアやブログ記事上に画像ファイルとして貼り付けて誰でも読めるようにしたり、もしくはマンガ自体をPDF資料にしてリード獲得の資料にしたりするケースもあります。

文章よりも目に止まりやすくて引きがあり、理解しやすく、高い読了率を期待できますが、記事を書くより制作の手間やコストがかかるため、制作のハードルは少し高いかもしれません。コンテンツのバリエーションを広げる際に有効です。

まとめ

ここまでさまざまな種類のコンテンツを紹介してきましたが、BtoBマーケティングでは、これらの異なる形式のコンテンツを組み合わせ、適切なタイミングで提供することが重要です。

どのコンテンツがどれほど必要であるかどうかは、自社の営業施策、マーケティング施策でどの顧客接触チャネルに重きをおくかどうかによって変わるため一概に決めることはできません。

それぞれのコンテンツにておすすめ度も記載していますが、これもあくまで目安だととらえてください。

いずれにせよ、コンテンツは非常に多彩なシーンで活用されており、昨今のデジタルマーケティングでは中心的な存在となっているため、なるべくバリエーションを増やしながら用途によって適材適所で使い分けていくことが重要です。

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