複数あるコンテンツ制作の外注先
企業が営業やマーケティング、広報・宣伝などを目的に記事やデザインなどのコンテンツ制作を外部に委託する際、依頼先は大きく3つに分類されます。
1つはコンテンツ制作専門の会社、次に制作を個人で行っているフリーランス(個人事業主)、もう1つはコンテンツ制作以外の機能も含めて幅広く支援が可能な広告代理店やマーケティングエージェンシーです。
これらのうち、委託先としてどこが適しているかどうかは、制作物や依頼内容、目的などによって異なるため一概には言えません。
この3つは企業からの直接業務委託を受ける可能性があるという点で並列的な関係でもある一方、それら3つの中で「代理店→制作会社→フリーランス」という1つの商流になる関係でもあります。
上記は、依頼側の視点からすれば左側であればあるほど「おまかせ」しやすくなる一方で右側に行けば行くほど自社でマネジメントやハンドリングしなければならない領域が増えます。
結論としては、「どこまで依頼先に任せてどこまで自社で管理したいか」によって使い分けるべきであり、すべてを依頼先候補の選択肢としてもっておくべきでしょう。
依頼先をひとたび誤ってしまえば「期待する制作物ができなかった」「業務負荷が余計にかかってしまった」「コストが余計にかかってしまった」といった事態につながりかねません。
そこで次項からはそれぞれの依頼先ごとにどのような特徴があるのか、上流側から順番に解説していきたいと思います。
1.代理店への依頼
メリット:幅広い対応をお任せできる
代理店へ依頼する最大のメリットは対応範囲の広さです。マーケティング施策では、コンテンツや広告、デジタルマーケティングツール、Webサイト、イベントなどさまざまな要素が絡みますが、それらを横断した施策を相談しやすいという点があります。
コンテンツ制作に関しても、自社の現状をよく理解しているお抱えの代理店であれば、上流からの相談や他の施策と連動したコンテンツを提案してもらうこともできるでしょう。
また、「どのようなコンテンツをつくったらよいかわからない」「コンテンツを依頼したいが依頼先の会社がわからない」という企業の場合、まず代理店に依頼して支援を仰ぐメリットは大きいといえます。
代理店は自社で制作機能を持たないことが多いですが、その代わりに外部の制作パートナーを多く抱えています。
特にマーケティング部門の人員が少ない場合は、担当者に代わってさまざまな業者との間に立ち、各施策を支援してもらえることは大きなメリットでしょう。
デメリット:コスト高になることも
デメリットとして、コンテンツをつくるという単一の目的だけを見た場合には、費用がかさみやすいということです。
先述のように代理店は制作機能を持たないことが多く、外部の制作会社やフリーランスなどの依頼先とパートナーシップを組むため、1つ商流が増えることになります。
もちろん、さまざまな施策で長く付き合いがあり信頼のある代理店に窓口として間に立ってもらうことで、スケジュールや進行管理、クオリティ管理などを任せられるため、それは決して無駄なコストにはなりません。
しかし、制作物のディレクション機能は、基本的には制作会社側でも持っていることが一般的です。
つくりたい制作物に関してすでに自社にてお抱えの制作会社がある場合、あるいはつくりたい制作物が明確かつ他の施策と連動しない単発の施策の場合は、代理店が商流に入ることがかえって進行の効率性を下げることがあり、依頼するメリットはあまり多くありません。
2.コンテンツ制作会社への依頼
メリット:最も無難で制作物が明確のときに最適
コンテンツ制作会社は文字通り、執筆、編集、DTPデザイン、Webデザイン、スチル撮影・動画撮影などを制作することを本業としている会社です。そのため、依頼先の選択肢としては最も無難であり、まず第一優先に検討するべきでしょう。
もちろん、執筆やデザイン、撮影はフリーランスで活動している方も少なくありません。あるいはそうしたスタッフをアサインできるフリーランスの制作ディレクターもいます。
しかし、個人では仕事のキャパシティに限界があり、対応できる制作物のジャンルも限定されてしまうことがあります。対するコンテンツ制作会社は組織としての力があるため、依頼できる量、幅ともに柔軟性があります。
さらに、後述のフリーランスへの依頼の項で後述しますが、制作会社の場合は、編集者とライター、クリエイティブディレクターとデザイナーのように、それぞれの専門スタッフが組むことによる強力な体制によって品質を担保しやすいという安心感があります。
デメリット:対応範囲が限定される可能性あり
個人で活動しているフリーランスとの比較の観点では、コストがかかります。代理店との比較の観点では、制作会社によっては「制作する」という部分にしか対応できず、上流の工程で柔軟に対応してもらえないケースがあります。
その場合、「コンテンツ制作は制作会社に」「広告やデジタルマーケティング施策はマーケティング会社に」など依頼先が分断してしまってやりとりが煩雑になってしまう可能性があります。
そうした煩雑さを避けるために、代理店のように1つの窓口でさまざまな相談ができる依頼先へ頼む企業も多く見られます。
また制作会社も百社百様であり、2~3名で営んでいる小さな会社もあれば数十名の大きな会社もあるので、自社にフィットする会社を発掘するのが難しいという場合もあるでしょう。
ちなみに、ノーバジェットでは、広告・イベントなどの提案・実施からコンテンツコンサルティング、コンテンツ制作まで一気通貫で対応できます。
3.フリーランスへの依頼
メリット:コストや柔軟性
最大のメリットは圧倒的なコストの安さです。コンテンツ制作の商流でみると、例えば代理店は制作会社に実務を依頼し、その制作会社も自社の人材ではなくフリーランスに依頼することがあります。
もし自社がフリーランスの人材を探し出して直接契約するなど人脈をつくることができれば、不必要な商流を省いて制作コスト削減につなげることができます。
もう1つのメリットは柔軟性です。企業の場合は契約や支払いの方法、料金、納期などがパッケージ化されている場合がありますが、それに対してフリーランスであれば比較的柔軟に対応してもらえることもあります。
企業の対応であれば、「営業担当」と「実務(制作)担当」のように担当が分かれ伝言ゲームになる可能性もありますが、個人相手であればやり取りのスピード感も期待できるでしょう。
デメリット:品質管理やディレクション
一方のデメリットは品質管理やマネジメントの手間です。
たとえ代理店や制作会社が起用しているフリーランスを自社が直接契約できたとしても、同じアウトプットを手にすることは簡単ではありません。
その理由として、フリーランスの制作者は、例えばライターであれば編集者、デザイナーであればクリエイティブディレクターと組むことで適切な成果物が作られるからです。
自社の依頼したものが代理店や制作会社経由でフリーランスの人によって作られているものでも、そのコンテンツが自社に校正として届くとき、それは「編集者やクリエイティブディレクターの修正がかかっているもの」ということを認識するべきです。
実際に「個人のライターとやり取りして納得のいく成果物を得るのが難しい」という課題を感じて当社のような制作会社に相談が来るケースも往々にしてみられます。
もっとも、優秀なライターやデザイナーであれば、一発で理想的な成果物が得られる可能性が高く、やり取りの負担や修正の手間は少ないかもしれません。ただ、そうした人材を自力で発掘するのは非常に難しいのが実情です。
まとめ
このように制作物の依頼先はさまざまです。
実際に当社もさまざまな企業のマーケティング部門とやり取りし会話していると、やはり多くの企業が複数の選択肢を持ちながら日々マーケティング業務、およびコンテンツマーケティング業務を手掛けていることがわかります。
大事なのは各依頼先が対応できる範囲を見極め、適切な案件を適切な企業に依頼することです。コストや社内の人材リソースのバランスを見ながら、外部の活用を日々進化させていただければと思います。
なお、当社ノーバジェットでもこれまで多くの企業のコンテンツ制作を手掛けています。
上述したようなデジタルマーケティングや広告施策、メディアバイイングなどを含めた対応を求めるお客様が多く、そうしたニーズに応えるため、現在では制作機能のほかに、ノーバジェット・マーケティングによる広告施策の機能も備えています。
記事1本から広告、イベントまで一貫したマーケティング施策をご検討される際はぜひご相談ください。