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製品案内との比較で見る導入事例のメリット

事例制作

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商品の購入を検討している見込み客は多くの情報を求めており、製品カタログや導入事例カタログはそうした人たちへ提供するために欠かせないツールです。ここでは、特に導入事例がどのような意味を持つかについて考えてみたいと思います。

導入事例カタログは「購入者目線」

従来型の一般的な製品案内カタログには、その製品の特長や機能、仕様などが書かれており、主として「売る側からの視点」で、特長やセールスポイントが書かれています。一方、導入事例カタログは、もちろん制作主体である売る側の意図は含まれつつも、体裁としては「購入した側からの視点」「利用者側からの視点」で書かれたものです。

購入者がなぜその製品を必要としたのかという課題や目的、その課題を解決するためにどのように考え、どんな基準で製品を選定し購入にいたったのか。購入後どうなったのかという効果が、事実に即して書かれてあります。

雑誌の記事のようなストーリー形式なっているので、従来型の製品カタログのような押しつけがましさがなく、専門のIT用語がよくわからない方が読んでも、すんなり受け入れられるはずです。

また、ユーザー企業名はもちろん、導入に携わった担当者の氏名や肩書も顔写真付きで掲載されているのが普通です。インタビューを受けるユーザー企業にしてみれば、購入先企業の宣伝に登場する理由などはないはずです。それでも、実名や顔まで出して協力しているということは、その製品に満足している(少なくとも不満だとは思っていない)からに他なりません。導入事例を読む側はその製品に対して高い信頼感を抱くはずです。

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見込み客に訴求しやすい導入事例

製品案内カタログも導入事例カタログも、マーケティングや営業に欠かせないツールです。どちらの方が良いということはなく、見込み客の理解の程度や検討段階によって使い分けるのが正しい選択です。ただし、導入事例は見込み客の初期の段階や、さらに進んだ段階でも使用することができ、汎用性が高いツールといえます。

例えば、見込み客へアプローチする初期段階を考えてみましょう。言葉の技巧を凝らして作った製品案内カタログよりも、実際の購入者の課題や解決のプロセス、導入効果をストーリー仕立てに記した導入事例カタログの方が、読んでもらうハードルを下げ、さらに自社の状況とダブらせて読むことができ、直感にアピールできる可能性があります。

検討が進んだ段階でも導入事例カタログは大きな働きをします。企業が製品を購入する際、たいていの場合、検討者は現場担当者です。しかし決裁者はその上司や経営層といったように、購入検討者と最終決裁者が別です。

購入検討者が「この製品にしたい」と思っても、決裁者がイエスと言わなければ稟義は通りません。こんなときに導入事例を添付し、「有名なあの企業も導入している」「同じ業界の○○社が導入している」ということを示せれば、決裁者もハンコを押しやすくなるわけです。

特に大きな商材の導入では、導入理由のほかに、導入することでどれだけ効果が得られるのかや投資対効果(ROI)がどれくらいなのかなど、具体的な数値を示さなければならない場合もあります。そんなとき、導入事例記事にそのような情報が掲載されていれば、社内の説得材料として非常に効果的でしょう。

BtoB関連の複雑なIT製品・ソリューションの場合、それ自体の特徴や仕様は数ページのカタログだけで語りつくせるものではなく、案件の進捗度合いに応じて、詳細な提案書やデモで説明しなければ対応できません。ですから、商談の初期段階では、細かな機能を製品カタログで説明するよりも、多くの導入事例を見せた方が見込み客にアピールになることもあります。

企業の中には、新しい製品ができたりバージョンアップをした際にも、製品案内カタログを作成せず、パワーポイントで作成したファイルで済ませたり、簡単なファクトシートで済ませる企業も多くあります。

製品案内などの資料をつくらなければ予算を浮かせることもでき、導入事例の取材をOKしてくれた企業が見つかったらすぐに導入事例を作れるわけです。それほど、導入事例は見込み客に対して強いアピールになる資料なのです。

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